3次元ヒト腕運動における軌道計画規範の比較検討
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概要
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平面上におけるヒト腕の2点間到達運動においては, 手先軌道はほぼ直線であり, 速度波形は単一のピークを持つベル型であることが報告されている.これらの特徴を説明するモデルとして, 最適化原理に基づいた手先躍度最小規範, 関節角躍度最小規範, トルク変化最小規範, 指令トルク変化最小規範が提案されている.その中でも指令トルク変化最小規範はヒト腕の軌道をよく再現することが示されている.しかしながら, 指令トルク変化最小軌道の計算には, 非線型最適化問題を解く必要があり, 平面上の運動に対しても, 安定して指令トルク変化最小軌道を求めることが困難であった.最近, 金子らによって提案されたEuler-Poisson方程式に基づく方法で, 精度が良く, 様々なダイナミクスパラメータや空間位置に対して最適軌道を得ることが可能となった.我々は3次元空間の運動においても, 金子らの方法を応用することによって, 指令トルク変化最小軌道の計算が可能であることを確認した.本報告では, 3次元空間上の2点間到達運動において, 上記規範による予測軌道を, ヒトの計測軌道とを定量的に比較検討し, 指令トルク変化最小規範による予測軌道がもっともヒト腕運動軌道に近い軌道を予測することを報告する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-11-17
著者
-
和田 安弘
長岡技術科学大学
-
山中 和博
長岡技術科学大学
-
川人 光男
科学技術振興事業団学習動態脳プロジェクト
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所
-
川人 光男
科学技術振興事業団erato川人学習動態脳プロジェクト:atr人間情報通信研究所
-
川人 光男
Atr人間情報科学研究所
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所
-
川人 光男
科学技術振興事業団 川人学習動態脳プロジェクト : Atr人間情報通信研究所
-
和田 安弘
川崎製鉄:(現)長岡技術科学大学 工学部
-
川人 光男
科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト:atr人間情報通信研究所
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