道具使用時の脳活動量と言語課題時に現れる脳活動量の相関関係(<特集>「脳・認知科学」及び一般)

概要

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文章聴解時とその逆転再生時の脳活動を比較すると男女差があると報告されている.本研究では,道具を使用する際の脳活動と文章聴解時の脳活動を調べた.男性7人および女性7人の被験者について,文章聴解時とその逆転再生時の脳活動を比較した際,男女ともに側頭葉領域に脳活動が見られ,特に女性は右側頭葉に比べて左側頭葉に多く脳活動が見られた.被験者毎に側頭葉領域の脳活動を左右別にボクセル数を比較したところ,女性の方では有意に左優位であった.この左右側頭葉の脳活動の差を求め左右差指標(LI)とし,実際の道具使用時と道具使用イメージの両方に関与する右小脳の脳活動量とLIを比較したところ,LI値の高い値の被験者ほど道具使用時の右小脳における脳活動量が多いことがわかった.これらのことから,文章聴解などの課題だけでなく道具使用を行う時にも脳活動に男女の差があるのではないかと推察される.さらに,この言語課題で現れる左右差は道具使用といった言語とは直接関係のないものにも影響を与えるようなものであると考えられる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-01-20