速度依存力場と位置依存力場に対する内部モデルの独立性 : 多重内部モデルの検証(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)
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概要
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複数の環境に対する内部モデルを独立に獲得するためには,キネマティック変換とダイナミック変換のような変換の基本的特性の違いが重要であると報告された。一方,複数の変換の時間間隔や,変換が依存する状態変数の違いが重要であるという報告もあり,複数の内部モデルが学習で獲得されるための条件は明らかにされていない。本研究ではともにダイナミック変換であるが,依存する状態変数の異なる2種類の変換を単関節マニビュランダムによって作り出し,ヒトの到達運動の学習過程を観察した。一つは肘関節角速度に線形に依存する正の粘性力場であり,もう一つは肘関節角度に依存する位置依存力場であった。位置依存力場は特定の運動範囲でのみ速度依存力場と似た負荷トルクとなる。似た負荷トルクになる運動範囲で二つの力場を学習すると,各力場に対する内部モデルは独立に獲得されなかった。しかし,それ以外の範囲も含んで学習すると内部モデルは独立に獲得された。この結果は,複数の内部モデルを独立に獲得するためには,時間間隔や,変換の基本的特性,あるいは状態変数の違いが重要なのではなく,被験者が異なる力場を区別できるような情報の多寡が本質的であることを示唆している。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-05-01
著者
-
和田 安弘
長岡技術科学大学
-
川人 光男
国際電気通信基礎技術研究所脳情報研究所
-
川人 光男
ATR人間情報通信研究所
-
大須 理英子
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所
-
大須 理英子
国際電気通信基礎技術研究所脳情報研究所:情報通信研究機構
-
大須 理英子
科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所
-
川人 光男
科学技術振興事業団erato川人学習動態脳プロジェクト:atr人間情報通信研究所
-
川端 康宏
長岡技術科学大学
-
大須 理英子
(株)国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所
-
川人 光男
(株)国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所
-
川人 光男
Atr人間情報科学研究所
-
川人 光男
(株)atr人間情報通信研究所
-
川人 光男
(株)国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所
-
和田 安弘
川崎製鉄:(現)長岡技術科学大学 工学部
-
川人 光男
科学技術振興事業団川人学習動態脳プロジェクト:atr人間情報通信研究所
-
大須 理英子
国際電気通信基礎技術研究所
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