複数の粘性力場に対する効果的な学習法の検討(<特集>「脳・認知科学」及び一般)

概要

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PFM(Parallel link direct-drive air-magnet Floating Manipulandum)を用いて,2つの異なる粘性力場を発生させ,それに対するヒトの多関節到達運動の学習過程を観察した.我々の過去の実験で,それぞれの力場に対応する適切なcueを与え,ランダムな順番で学習することで,2つの粘性力場に対する内部モデルを同時に獲得可能であることがわかった.そこで,今回は2つの力場を別々に学習してもらい,その後ランダムに学習することで,内部モデルの獲得にどのような違いがでるのかを観察した.その結果,別々に学習を行った場合,個々の力場の学習に関してはランダムに学習するよりも早かったが,その後のランダムな学習では,どちらの力場に対しても,うまく対応することができなかった.よって,2つの力場に対する個別の学習だけでは,力場の変化に対応できるようにはならないといえる.以上の結果から,複数の内部モデルを同時に獲得するためには,2つの力場をランダムに学習するのが効果的であるといえる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-01-20