小脳皮質のシナプス可塑性モデルに基づくサルの水平方向VOR適応のシミュレーション
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概要
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サル前庭動眼反射(VOR)適応が、小脳皮質の可塑性によって説明できるという考えを片葉仮説という。しかし、片葉仮説には様々な反論も存在し、VOR適応が小脳皮質の可塑性によって説明できるか否かの論争が続いている。Tabata et al.(2000)モデルは、否の立場のLisberger(1994)モデルを、大脳皮質高次視覚野のMST野のデータに基づいて修正したものである。修正モデルは、小脳皮質の可塑性のみでVOR適応を再現できた。しかしながら、シミュレーションに用いたシナプスの伝達効率値は、片葉仮説に従って実験者が手で決めたものであった。特に、VOR適応時の小脳皮質への前庭入力のシナプス伝達効率値の変化は、Lisberger(1994)とは定性的に異なるように仮定されていた。本論文では、片葉仮説の予測に基づいて仮定したTabata et al.(2000)のシナプス伝達効率値が生理学的にもっともらしいことを、理論的に示す。そのため、Tabata et al.(2000)のモデルに、実験的に知られている小脳皮質の可塑性の時間的性質を組み込んだ。そして、シナプス可塑性の微分方程式モデルに基づいたVOR適応のシミュレーションにより、片葉仮説によって予測されるシナプス伝達効率値の変化を自動的に獲得できることを示した。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-05-01
著者
-
川人 光男
科学技術振興事業団学習動態脳プロジェクト
-
川人 光男
ATR人間情報通信研究所
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所
-
川人 光男
科学技術振興事業団erato川人学習動態脳プロジェクト:atr人間情報通信研究所
-
川人 光男
Atr人間情報科学研究所
-
田端 宏充
科学技術振興事業団ERATO川人学習動態脳プロジェクト
-
山本 憲司
電子技術総合研究所情報科学部
-
川人 光男
(株)atr人間情報通信研究所
-
田端 宏充
奈良先端科学技術大学院大学:独立行政法人産業技術総合研究所
-
川人 光男
株式会社国際電気通信基礎技術研究所人間情報科学研究所
-
川人 光男
科学技術振興事業団 川人学習動態脳プロジェクト : Atr人間情報通信研究所
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