AP3000による2次元および3次元問題に対する不完全LU分解の並列化
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概要
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不完全LU分解は, 大型で疎な正則行列を係数とする連立1次方程式に対する前処理のひとつである.しかし, その過程は前進代入と後退代入からなるため, AP3000などの分散メモリ型並列計算機に実装することはそれほど簡単ではない.2次元及び3次元の偏微分方程式の境界値問題を有限差分法で離散化することで生じる連立1次方程式に対する不完全LU分解を並列化する算法の一つに, ブロック分割法がある.しかし, 分散メモリ型並列計算機上では, プロセッサ間の通信オーバーヘッドが大きくなってしまい, 不完全LU分解がうまく作用しないことがしばしばある.そこで我々は, いくつかのデータを一括して通信することで, ブロック分割法における通信オーバーヘッドを減少させる算法について提案する, 我々の提案した算法に基づく不完全LU分解による前処理をBiCGStab(l)法に組み込んで, 分散メモリ型並列計算機AP3000に実装し数値実験を行い, 前処理としての性能を評価する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-08-06
著者
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