ブロック分割によるreduced systemの前処理(数値計算アルゴリズム)
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概要
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大型で疎な正則行列を係数行列としてもつ連立1次方程式の解法の1つにGMRES(m)法がある.一般に,反復法は前処理を用いて収束性を改善させるのだが,前処理にも様々なものがある.ここではY.Seedらが提案した不完全LU分解(ILU)に類似した消去法とブロック分割を利用し,reduced systemを構成する方法を使用する.この方法を用いると,与えられた連立1次方程式より大幅に次元の小さな方程式(reduced system)を反復法によって解くことができ,さらに直接代入により方程式の近似解を得ることができる.その結果,行列とベクトルとの積や反復回数を減少させ,計算量,記憶容量を削減できる.本稿では,この前処理を用いたGMRES(m)法と従来のGMRES(m)法の収束性などを数値実験によって比較し,本稿で提案した前処理の有効性を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2003-10-16
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