煮干し脂質の性状とその酸化がだし汁の風味に及ぼす影響

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概要

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1) 今回試料として用いた5種類の市販煮干しの脂質含量はいずれも四訂食品成分表に示された値よりも高かった。また,頭部には体部の1.3〜2.2倍多い脂質が含まれていた。2) 煮干しの脂質のCOV,TBARS値はどれも高い値を示し,かなり酸化が進んでいることが認められた。また,試料により酸化の程度にかなりのかなりの差がみられたが,酸化防止剤や脱酸素剤の添加や,パッケージに表示されているJASマークがそのまま品質につながるわけではないと考えられた。3) 酸化が進むことによって,脂肪酸組成は変化し,魚に多く含まれてるIPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸が減少していた。4) だし汁の風味と煮干しに含まれる酸化により生成する物質の量には相関がみられ,COVやTBARS値が高い煮干しからとっただし汁ほど生臭みが強く,味も好まれなかった。
日本調理科学会の論文
2000-05-20

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