魚卵膜の分子配向の定量的指標の一試案 : 配向パラメータ

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従来行っていた魚卵膜分子配向の測定方法であるレタデーション法の測定者による差の問題を解決しかつ分子配向を定量的に記録, 表現可能な値として新たに配向パラメータを定義し, 配向パラメータの有用性を明らかにすることを目的とした。レタデーションを反映した光の強度変化を測定し, 自動解析システムにより配向パラメータを算出した。サンプルとして凍結解凍スケトウダラ原卵真子を用い, 2.5重量%NaCl水溶液中における配向パラメータの経時的変化を観察した。デジタルカメラを用い取り込んだ卵の画像より, 光の強度変化を利用してレタデーションが100nm以上となる部分の面積(X)を測定し, 卵の全面積(Y)に占める割合(X/Y×100)を配向パラメータとした。画像の背景や卵中央部の光強度の統一を図るために画像を取り込む際に光量調節用フィルターを新たに偏光顕微鏡に装着させた。光量の範囲を標準光の6∿25%に変化させて測定した配向パラメータは, レタデーションおよびレタデーション×卵の投影面積で定義される配向の強さと高い相関がみられた。具体的測定においては, 卵面積の測定とレタデーションに関連したクロスニコル下での光強度との間で最適化をはかる必要があった。光強度の最適条件下で測定した場合, レタデーションΓと配向パラメータOpはOp=0.2498Γ-1.7151(相関係数R=0.81), 配向の強さOiと配向パラメータOpはOp=0.2245 Oi+0.8581(相関係数R=0.82)で表すことができ, どちらとも高い相関がみられ妥当であると判断された。
福岡女子大学の論文
2001-01-31

魚卵膜の分子配向の定量的指標の一試案 : 配向パラメータ

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