微粒子積層体への低分子の配向吸着の評価方法
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概要
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高分子固体材料表面における吸着分子の配向吸着の実証に際して、データに矛盾のあった干渉色法と単色光による明暗法(明暗法)を比較し、より信頼性ある新たな干渉色法を確立することを目的とした。試料として、微細構造が明らかとされている平均孔径35mmの銅安法再生セルロース中空糸膜(BMM35)を用いた。配向吸着のない溶媒(基準溶媒)として、配向吸着に関係なく繊維自身の複屈折度を与えることから、四塩化炭素を用いた。繊維中央部から外壁部までを偏光顕微鏡によりクロスニコル下で観察し、干渉色をリタデーションΓに換算する。干渉色法において赤色法による530nmの加色・減色をあわせる広義の干渉色法を加えることにより、より信頼性のある干渉触法が提案できた。一方、明暗法を用い、1/4λ板による147.3nmの加色、減色のデータをあわせた。これらの結果から新たな干渉色法として赤色版、1/4λ板を合わせた測定法提案できた。干渉色法、明暗法それぞれの方法で観察を行った結果、干渉色法のほうが得られるデータ数は多く、膜端部、内壁部の観察も容易であった。理論曲線との比較からもそのデータが近似していたことから、新たに提案した干渉色法は配向吸着に関してより信頼性の高い方法であるといえた。1/4λ板を挿入した新たな明暗法においては膜端部のΓ値は膜厚のみを考慮した理論値との差が大きく、BMM35の膜構造が不均質であり、構造が中央部からの距離に依存して変化していることが考えられる。新たに提案した干渉色法では、赤色版、1/4板を併用し、結果的に独立した5個のΓ値の測定値を得る。5個のデータの平均値をとることにより、Γ値の信頼性が高まった。また、1/4λ板を干渉色法にあわせることで、不明瞭であった中空糸膜端部のリタデーション値の判断がより明確となった。この四塩化炭素におけるデータを基準とし、他の溶媒を用いた場合のΓ値と比較することで、中空糸全体の構造を三次元的に把握でき、他の溶媒を用いた場合の分子の吸着状態を検討することができる。
- 福岡女子大学の論文
- 2005-03-04
著者
-
藤岡 留美子
福岡女子大学人間環境学部
-
真鍋 征一
福岡女子大学人間環境学部
-
真鍋 征一
福岡女子大学人間環境学部:(株)シグマーリサイクル技術研究所
-
藤岡 留美子
福岡女子大学 人間環境学部 生活環境学科
-
花田 紗織
福岡女子大学人間環境学部
-
花田 紗織
福岡女子大学人間環境学部:(株)シグマーリサイクル技術研究所
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