溶媒中での複屈折率 : 温度曲線の新しい測定方法とその適用例

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高分子固体の分子熱運動性と溶媒分子の拡散挙動の評価のために, 高分子試料の複屈折率-温度および時間特性の三種の新しい測定方法を提案し, これらの測定方法の応用例から測定法の有効性を示すことを目的とした。三種の測定法原理は以下の通りである。(1)分子運動凍結法(手法1)高分子試料の熱分子運動の凍結および解放と溶媒分子の拡散を中心とした測定法。(2)拡散平衡法(手法2)高分子試料と溶媒分子が熱力学的な平衡状態のある場合の相互作用を中心とした測定法。(3)過渡現象測定法(手法3)恒温下における溶媒分子の拡散過程を中心とした測定法。具体的な測定方法として溶媒共存下でのΔnの測定には前報(福岡女子大人間環境学部紀要, 27,13 (1996))の装置を用い, 手法1の測定法としてある温度に設定した試料を融点近傍に冷却した溶媒中へ瞬間的に浸漬する方法を開発した。測定方法の応用例に手法1と手法2とを, 高分子試料として, 完全非晶体かつ繊維軸方向に無配向で構造単位が球状粒子からなる多孔性再生セルロース中空糸(BMM40)を, 溶媒分子にメタノールを採用した。その結果, 高分子固体の分子熱運動性, 溶媒分子の拡散過程, および高分子と溶媒分子との熱力学的相互作用の評価が可能であり, これらの測定方法の有用性が実証された。
1997-02-25

溶媒中での複屈折率 : 温度曲線の新しい測定方法とその適用例

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