5種のハーブ毛状根を用いたフェノール類の生物的変換反応
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概要
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5種類のハーブ[サワギキョウ(Lobelia sessilifolia) (LS)、ロベリアカージナリス(L. cardinalis) (LC)、フウリンソウ(Campanula medium) (CM)、バジル(Ocimum basilicum) (OB)およびイチゴ(Fragaria x ananassa) (FA)]の毛状根をもちいて、5種のフェノール類[protocatechuic acid (1), gallic acid (2), trans-cinnamic acid (3), p-coumaric acid (4)およびcaffeic acid (5)]の生物的変換反応について実験した。1) 1の変換 LSとLCにおいて、主変換物は1のグリコシドであり、その他の毛状根では2が主変換物であった。LSとLCにおいては配糖化が、その他の毛状根では水酸化が主におこっている。2) 2の変換 すべての毛状根で配糖化反応が主であったが、FAとそれ以外の毛状根では糖の置換位置が異なっていた。3) 3の変換 OBをのぞく毛状根において、主変換物は4のグリコシドであったが、OBでは添加基質である3つの含量が高かった。OBをのぞく毛状根においては、水酸化とそれに連続した位置特異的配糖化がおこっている。4) 4の変換 キキョウ科植物毛状根(LS,LCおよびCM)では6種の変換物、その他の毛状根(OBおよびFA)では8種の変換物が認められた。とくにFAにおいては、高含量の3の配糖体が認められ、各種の生合成経路の活性化が推測された。5) 5の変換反応(変換物)は認められなかった。これら、ハーブ植物毛状根は、位置選択的配糖化反応に有用な系である。今後、毛状根を用いた生物的変換反応に関する、広範囲でシステム化されたデータの蓄積が望まれる。
- 日本食品化学学会の論文
- 1996-10-14
著者
-
下村 講一郎
東洋大学植物機能研究センター
-
石丸 幹二
佐賀大学農学部
-
寺原 典彦
南九州大学健康栄養学部
-
下村 講一郎
東洋大学生命科学部
-
下村 講一郎
国立医薬品食品衛生研究所・筑波薬用植物栽培試験所育種生理研究室
-
義平 邦利
東亜大学大学院
-
山中 美智子
佐賀大学農学部
-
下村 講一郎
国立衛生試験所・筑波薬用植物栽培試験場
-
下村 講一郎
東洋大生命科学部
-
岡本 大作
タキイ種苗長沼試験農場
-
寺原 典彦
南九州大園芸学部
-
寺原 典彦
南九州大学
-
岡本 大作
タキイ種苗株式会社長沼試験農場
-
寺原 典彦
南九州大学食品工学科
-
石丸 幹二
佐賀大学農学部 応用生物科学科
-
下村 講一郎
国立衛生試験所, 筑波薬用植物栽培試験場
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