カナダサワギキョウ毛状根におけるポリアセチレン類生産
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概要
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北米原産のハーブであるカナダサワギキョウについて、組織培養系を確立し、その二次代謝成分の分析を行った。市販の種子を常法により殺菌後、植物ホルモン無添加MS固形培地上に播種した。発芽した無菌植物体の根を切り取り、IAA 1mg/l添加1/2 MS液体培地で培養することにより不定根培養系を確立した。また、無菌植物体にAgrobacterium rhizogenes ATCC 15834菌を感染させて毛状根を誘導し、2クローン(Ls-A1およびLs-A2)を4種(WP, RC, 1/2 MSおよびB5)の植物ホルモン無添加液体培地で培養した。Ls-A1およびLs-A2とも、各培地で良好に成育し、また、ポリアセチレン化合物、特にグルコース配糖体であるlobetyolinとlobetyolininを高含量で生産していた。特に、Ls-A2はB5培地において照明下培養すると、最高のlobetyolin含量を示した。また、Ls-A1およびLs-A2ともに照明下で培養するとchlorophyllを蓄積した。Ls-A1とLs-A2の生育とポリアセチレン類含量について、経時変化を調査したところ、共に培養後期において、乾燥重量とポリアセチレン類含量の減少が認められた。Ls-A2で認められたlobetyolin含量の最高値(6.17%、B5培地、6週目)は、過去調査したすべてのキキョウ科植物の組織培養体中、最高の値であった。今回の実験で、カナダサワギキョウの形質転換体(毛状根)の培養系の確立に初めて成功した。また、茎葉、不定根および毛状根培養系において生産される二次代謝物(ポリアセチレン配糖体)を明らかにするとともに、各種培養条件下におけるそれらの生産量について解析した。
- 1997-12-31
著者
-
下村 講一郎
東洋大学植物機能研究センター
-
田中 章江
佐賀大学農学部
-
石丸 幹二
佐賀大学農学部
-
下村 講一郎
東洋大学生命科学部
-
下村 講一郎
国立医薬品食品衛生研究所・筑波薬用植物栽培試験所育種生理研究室
-
下村 講一郎
国立医薬品食品衛生研究所
-
義平 邦利
東亜大学大学院
-
山川 隆
東大院・農学国際
-
山川 隆
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
田崎 茂徳
佐賀大学農学部
-
下村 講一郎
東洋大生命科学部
-
石丸 幹二
佐賀大学農学部 応用生物科学科
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