トマト果実の貯蔵とアミノ酸代謝に関する研究 (第1報) : 追熟ならびに着果ホルモン処理による遊離アミノ酸の変動
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概要
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1. 本研究はトマト果実の貯蔵とアミノ酸代謝に関する研究の一環として, 追熟ならびに着果ホルモン処理による遊離アミノ酸含量の変動について調べたものである。2. 材料は露地栽培の福寿2号, ガラス室栽培の揚子と福寿2号を使用した。熟度は breaker で実験に供し, 追熟貯蔵は20°Cの恒温室で行なつた。着果ホルモンの処理は, ガラス室栽培の福寿2号について第4段目の花房にスプレーし, tableripe で収穫したものについて分析を行なつた。3. 露地栽培の福寿2号については, 貯蔵当初 (breaker)γ-アミノ酪酸, セリン fraction, グルタミン酸, アスパラギン酸が主要な遊離アミノ酸で, 追熟貯蔵中にγ-アミノ酪酸は当初の約1/3に減少し, グルタミン酸は約3.5倍に, アスパラギン酸は約2.5倍に増加した。量的には少ないがグリシン, アラニン, バリン, イソロイシン, ロイシンなどは減少した。プロリンとメチオニンが貯蔵末期 (overripe) に検出された。4. ガラス室栽培の揚子は, 露地栽培の福寿2号に比べ全体にアミノ酸含量が少なく, とくにγ-アミノ酪酸が極端に少なかつた。しかし追熟貯蔵中グルタミン酸, アスパラギン酸が増加することは福寿2号の場合と同様であつた。その他のアミノ酸についてはあまり変動が認められなかつた。5. 着果ホルモンの影響は, グルタミン酸, セリン fraction など一部のアミノ酸を除いて無処理果に比べて全般にやや少なくなる傾向がみられた。
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