トマト果実の貯蔵とアミノ酸代謝に関する研究 (第2報) : トマト果実の成熟および追熟中のグルタミン酸脱炭酸酵素とグルタミン酸脱水素酵素活性度の変化
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概要
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本研究は露地栽培トマト品種福寿2号を用い, 成熟や追熟と関連してグルタミン酸脱炭酸酵素およびグルタミン酸脱水素酵素の活性度の変化について調べたものである。1. トマト果実中のグルタミン酸脱炭酸酵素は, 燐酸緩衝液で容易に抽出されることが認められた。またこの酵素の至適pHは5.5〜5.6にあつた。2. トマト果実のこの脱炭酸酵素の活性度は, 緑色果など未熟な stages で高いが, 成熟が進むにつれてしだいに低下する。追熟, 貯蔵 (20°C) 中も活性は低下するが, 6°Cの低温下で追熟を抑制した場合では27日後でも活性が高かつた。また, γ線照射により追熟を抑制した場合のグルタミン酸脱炭酸酵素の活性は, 照射直後無処理区と比べ著しく低下するが, その後250 Krad では2日後に, 1,000 Krad では5日後に一時的な活性の回復がみられた。3. トマト果実中にグルタミン酸脱水素酵素が存在するものと思われ, この酵素の活性度は成熟するにつれて低下する傾向が認められた。4. グルタミン酸脱炭酸酵素の活性度およびグルタミン酸とγ-アミノ酪酸含量の変化からトマト果実の熟度や鮮度を生化学的面より判定しうる可能性をみいだした。5. トマト果実の追熟中, mature green でγ-アミノ酪酸が多く, 追熟するにしたがいγ-アミノ酪酸は減少し, グルタミン酸が蓄積するが, この生理的意義についても若干の考察を試みた。
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