ビワ果実の褐変とポリフェノール含量ならびにポリフェノール酸化酵素活性の変化
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概要
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ビワ'茂木'果実について生長中および貯蔵中におけるフェノール物質含量の変動ならびにポリフェノール酸化酵素活性と褐変の関係を検討した.ビワ幼果中の全フェノール含量は非常に多く, 果肉100g当たり352.5mg含まれていた.全フェノールとクロロゲン酸含量は果実の発育に伴って急激に減少し, その後果実の着色に伴って再び増加した.全フェノールに対するクロロゲン酸の含量の割合は果実の発育中は13-14%程度, ほぼ一定であったが, 成熟に伴って顕著に増加し, 成熟果において全フェノールの50%を占め, 主要なポリフェノール物質になった.これに対してポリフェノール酸化酵素(PPO)活性は果実の発育中に急激に減少し, 成熟中にはいったん増加後再び減少した.低温(5℃)で2か月間の貯蔵中には全フェノールとクロロゲン酸の含量のいずれも変化は少なかった.果実のPPO活性は緩やかに減少し続けた.ビワ果実の褐変の強さは果肉ジュースについて, 分光光度計で400nmの吸光度で評価した.30℃で1時間の褐変反応中の果肉ジュースの褐変度は, 24時間の反応で測定された褐変度の68.8-92.2%であった.クロロゲン酸は褐変に伴い速やかに消失した.全フェノール含量と褐変度の間に密接な相関が認められた.
- 園芸学会の論文
- 1998-05-15
著者
-
茶珍 和雄
大阪府立大学農学部
-
上田 悦範
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
-
望岡 亮介
大阪府立大学農学部
-
望岡 亮介
大阪府立大農
-
丁 長奎
大阪府立大学農学部
-
茶珍 和雄
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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