青ウメの常温貯蔵におけるエチレン除去剤とポリエチレン密封包装の影響
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概要
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ウメ果実は未熱状態 (青ウメ) で収穫され, 主として梅酒や梅干しなどに加工されて用いられる. 青ウメは収穫後の追熟過程において大量のエチレンを生成し,黄化や果肉の軟化が急速に進み, 非常に商品性が低下しやすい (2,7). プラスチックフィルム密封包装が青果物の鮮度保持に有効なことはよく知られているが (3),包装内の炭酸ガスや酸素濃度の変化, または青果物の異常代謝産物であるアセトアルデヒドやエチルアルコールの蓄積によって青果物に生理障害が発生するので問題になることも多い (10).<BR>近年, 鮮度保持剤としてエチレン除去剤が多く利用されるようになったが (5,9), エチレン除去剤とポリエチレンフィルム包装の併用がカキ, ウメ, カボスなどの貯蔵にかなり効果のあることが報告されている (7,8,10). 一方, キャンベル•アーリーブドウ果実の研究では気相中に出てきたエチレンを除去剤で取り除いても, 脱粒防止はできなかったと報告している (11). また, この場合エチレンが気相中に存在しても, 5~6%の炭酸ガスが存在すれば脱粒を抑えたといわれる. エチレン除去剤の使用効果は青果物の種類が変わればもちろん, 同一種類の青果物でも一定ではなく, 包装内の酸素および炭酸ガスレベルと関連して考慮しなければならないと思われる.<BR>本実験では青ウメ果実の包装貯蔵における包装内ガス組成•濃度の変化あるいはエチレン除去や炭酸ガスの除去が果実の品質, 呼吸量, エチレン生成量, ACC含量, エチレン生成酵素活性 (EFE), アセトアルデヒドおよびエチルアルコール生成に及ぼす影響について調べた.
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