クッキーの品質におよぼすラクツロース添加の影響(自然科学編)

概要

論文の詳細を見る
ラクツロースは,ラクトースのグルコース部分をアルカリ処理によりフラクトースに異性化した新しい甘味料で,その構造は図1に示したとおりである。この糖の天然での存在は,過熱処理じて製造される乳製品およびその貯蔵中に微量ながら生成することが確認されている。市販ラクツロースは水分30%,ラタスロース50%以上(対固形分70〜80%)を含有し,その他は,原料および分解物出来のラクトース,フラクトース,ガラクトース,グルコースなどの糖類で構成されている。このラクツロースは,淡黄色の透明シロップで,くせのない爽やかな甘味をもち,結晶性,粘度,比重,屈折率などは他の糖液(異性化液糖,麦芽糖水飴)と似た性質を示し,比較的安定で扱い易い糖である。これまで著者らは,ラットの生体に及ぼす市販ラクツロースの影響について種々実験を重ね,ラクツロースの投与は,ラットの盲腸内のビフィズス菌を増加させ,ビタミンB_1,B_2の産生を促し,盲腸内pHを低下させること等ラットの生体に対し有効であることを明らかにしてきた。今回ぱ,以上のようなラクツロースを甘味料として加工食品に使用する砂糖の代替に用いた場合,利用可能な範囲および加工特性への影響を知るごとを目的とし,加工食品の一例としてクッキーヘの添加を試みた。本実験では,ラクツロース添加クッキーと通常のクッキー(砂糖添加)との比較,さらに,二糖類アルコールのマルチトールを添加したクッキベこついても比較検討し, 2, 3の知見を得たので報告する。

クッキーの品質におよぼすラクツロース添加の影響(自然科学編)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク