飯・かゆ・おもゆの栄養価 : 搗精度の異なる米について(自然科学編)

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現在,日本人の食生活は質,量とも豊かに充足し食生活情報が氾濫し,食のファッショソ化が欧米以上に進んでいる。そのため肥満,糖尿病,高血圧等食生活が関与する成人病も欧米に追従するパターンとなりつつある。一方,米国では,成人病の増加を防止する目的で1977年に食事改善目標(Dietary Goals for the United States)が,上院栄養特別委員会により発表された。このパターンが日本人の食生活に類似していたことから,我国でも「日本型食生活」の見通しがなされた。「日本型食生活」の優れた点の一つは,食事が主食と副食に分けられることである。我々は主食として米を1日1人当り209 g 摂取している。これは,エネルギ-743 kcal,蛋白質14.4 gを含有し,日本人の1人1日当り平均栄養所要量の37%エネルギー量,22%蛋白質量に相当する。また,米に含まれるビタミンBIは,加熱調理により減少するものの,その摂取量の多さから米が貴重な供給源の一つとなっている。このように日本人の食生活に占める米の位置は高く,米の栄養価についての報告も古くから行われ,昭和34年に広畑により総説が発表されている。近年では,米の栽培や貯蔵による成分変化の農学的な検討や,搗精および搗洗による無機成分の変化,更に炊飯の調理科学的研究も行われている。しかし,米の栄養価は米そのものの成分値であり,実際に摂取する調理形態である飯,かゆ,おもゆについての栄養学的な報告は少なく,更に七分搗き米,五分搗き米についての報告は,ほとんど見ることがない。そこで我々は,搗精度別の米で調理した飯,かゆ,おもゆを分析し,その栄美的特徴を調理科学的に検討し,よりよい食生活指導の一助とすることを目的に本研究を行った。

飯・かゆ・おもゆの栄養価 : 搗精度の異なる米について(自然科学編)

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