ヤマモモのフィルム密封包装貯蔵中の品質及び成分の変化
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概要
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‘亀蔵’(カメゾウ)と‘広東’(カントン) の2品種のヤマモモ果実をポリエチレンフィルム (30μm厚) で密封包装して, 20°Cと2°Cで貯蔵し, 諸成分と品質変化について比較検討した. また, エチレン吸収剤, 窒素ガス, 吸水マットの影響を合せて調べ次の結果が得られた.(1) ‘亀蔵’と‘広東’の果実は20°Cで約3μl/kg/hのエチレン生成能をもっていた. 着色の始まったブレーカーステージの果実では2日目で熟度100%に達したが, 緑色果実の場合はエチレン生成のピークが現われたものの着色の進行はみられなかった. エチレン処理によっても同様に着色は進行しなかった.(2) ‘亀蔵’で20°C貯蔵では3日目以降果実硬度が収穫時220g/cm2の60%以下に減少した. しかしエチレン吸収剤を添加したものは2日目まで硬度が80%まで保持されていた. 2°C貯蔵ではエチレン吸収剤を添加したものは7日目まで硬度が80%近く保持されていた.窒素ガスの効果は特に認められなかった. また, 二酸化炭素濃度は20°Cでは10〜13%に達した. 2°Cでは2〜8日間2〜3%の間を推移し, 特に低温や二酸化炭素に基づく生理障害は認められなかった.(3) ‘広東’では20°C貯蔵で果実硬度が収穫時の265g/cm2から60%低下した時点は4日目であり, ‘亀蔵’に比べて1〜2日, 日持ち性の高い品種と考えられた. 2°C貯蔵では10日目でも80%以上硬度が保持されていた. また, エチレン吸収剤を添加したものは6日, さらに吸水マットを併用したものは8日目まで収穫時の90%以上の硬度が保持された.(4) 水溶性ペクチンの変化では, 両品種とも20°Cで著しく増大し, 2°C貯蔵では‘亀蔵’で7日目に2倍となったが, ‘広東’では8日目でも増加はみられなかった.(5) 還元糖とスクロース含量の割合は‘亀蔵’で還元糖の割合が高く, 一方, ‘広東’では逆に, スクロースの割合が高かった. このような差は保蔵特性にも影響を及ぼすものと推察された.
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