施設栽培および露地栽培ミカンの香気成分

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概要

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興津早生温州を用いて,施設栽培ミカンの果皮および果汁の香気成分組成の特徴を露地ミカンと比較することにより明らかにした.果皮の場合,主要成分は共通してリモネンで86〜90%であった.フレーバー寄与の高い含酸素化合物の割合は施設ミカンで1.84〜3.33%,露地ミカンで1.28%であった.このうち,施設ミカンに特徴的な成分はゲラニルアセテート,テルピノレン,テルピネン-4-オール,ノナノール,α-テルピネオール,デカナール,ペリルアルデヒド,β-ヨノンなどであった.とくにゲラニルアセテートは露地ミカンの5〜8倍多く存在していた. 果汁の場合,リモネン含量は50〜70%であった.含酸素化合物の割合は,露地ミカンに比較して施設ミカンでかなり高く,デカナール,テルピネン-4-オール,シトロネロール,ゲラニオール,ゲラニルアセテートが施設ミカンに特異的であった.
社団法人日本農芸化学会の論文

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