ビタミンK_3をメディエーターとして用いた酸素消費型酵素センサーによるエタノールの定量(<特集>バイオアナリティカルケミストリー)

概要

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アルコール脱水素酵素とジアホラーゼを同時に固定化したリアクターを用いたエタノール定量用FIAシステムの開発を行った.キャリヤー溶液にビタミンK_3を添加することにより,酵素反応によって生じた還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の酸化再生を溶存酸素消費反応として酸素電極により検出した.又,酸素電極用フローセルとして,今回新たにキャリヤー溶液に電極を垂直上向きに設置したセルを試作した.本FIAシステムにおいてNAD溶液(2.5mM)は試料溶液と共にキャリヤー溶液{ビタミンK_3を飽和(0.66mM)させた0.05Mリン酸塩緩衝液(pH8.0),流量1.05ml/min}中に注入された.エタノールの検出限界は5×10^<-5>M,定量範囲は4×10^<-4>〜2×10^<-3>M,相対標準偏差は1.1%(2×10^<-3>M,n=5)であり,1時間当たり15検体の測定が可能であった.本システムを用いてワイン中のエタノールを定量したところ,F-Kit(市販食品分析用酵素試薬)法の結果と良好な一致が認められた.
1989-11-05