幼児の家庭における食生活についての研究 : 第1報昭和59年名古屋市内享栄学園幼稚園児の栄養摂取状態についての検討(自然科学編)

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名古屋市の中心部幼稚園における年齢5〜6才の園児48名(男子20名・女子28名)を対象とし,昭和59年11月1日〜3日にわたり,栄養摂取状態について調査を行なった。(1)性別,栄養素別平均摂取量をしらべた結果は,エネルギー,たん白質,脂肪,鉄,ビタミンA,ビタミンB_1,ビタミンB_2およびビタミンCのいずれの栄養素もその所要量をそれぞれ充足していたが,カルシウム摂取量については男子のみが所要量を9%も下回り,女子はそれを上回っており,両者との問で危険率5%で有意差が認められた。ついで,その栄養摂取量について男子と女子との間に有意差が認められたのは,エネルギーで,男子が危険率1%で女子のそれよりも有意に高い値であった。なお,間食についても,1日の栄養バランスが乱れるような不適正なエネルギー摂取量の園児がかなり認められた。(2)上記の栄養素別摂取量を個人別にみた場合は,個人差が大きくすべての栄養素について,それぞれの所要量に対する未満園児が認められた。3)摂取総エネルギーに対するPFC比のうち,F比が30%以上の園児が,男子では20名中10名,女子では23名中17名も認められ,さらにそれらの園児のP/S比をみると,男子では10名中8名が,女子では17名中14名が1.0以下であった。このことから園児の飽和脂肪酸の過剰摂取の傾向について無視し得ないことがわかった。(4)食塩の平均摂取量では男子は4.6g,女子では3.9gであった。(5)粗繊維の平均摂取量は,男子では3.4g,女子では2.5gであり,低繊維食への傾向が認められた。

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