三重県における地域別食生活実態の公衆栄養学的考察 : 第15報昭和59年,三重県鈴鹿市庄野小学校および大山田村東小学校学童の栄養摂取状態とその家族とのまどい状況(自然科学編)

概要

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三重県における年別学童期栄養の実態とその栄養指導の方法を探る目的で,昭和53年から引続き,今回も,前回と同じ平坦部の市街地域にある鈴鹿市庄野小学校および山間部の農村地域にある阿山郡大山田村東小学校における学童各17名を対象とし,その家庭食事(朝・夕食および間食)の栄養摂取状態およびその家族のまどい状況について調査した。(1)エネルギー,たん白質,動物性たん白質,ビタミンA,ビタミンB_1,ビタミンB_2およびビタミンCの栄養素別平均摂取量については,両校ともそれぞれの標準量を上回っていた。カルシウムのみは,庄野小では標準量を上回っていたが,東小ではそれを下回っていた。しかしながら,これを個人別にみたばあいは,充足していた栄養素においても,個人差が大きく,その摂取量に対する未満者が,エネルギーでは庄野小12%,東小29%,たん白質では庄野小18%,東小29%,脂肪では庄野小9%,東小29%,カルシウムでは両校とも59%,ビタミンAでは庄野小35%,東小53%,ビタミンB_1では両校とも12%,ビタミンB_2では庄野小18%,東小12%,ビタミンCは庄野小12%,東小9%も存在していることがわかった。(2)脂肪の質の面から,平均P/S比をみた結果,庄野小では0.98,東小では0.86で,厚生省勧告の1.0〜2.0より低い値であった。(3)食塩の平均摂取量は,庄野小7.4g,東小4.9gで,両校との間に有意差がみられた。そして,両校ともアメリカの食塩適正目標量3.0gのそれよりも上回っていた。(4)食品群別平均摂取量の目標量に対する充足率をみると,大豆類では庄野小26%,東小6%,緑黄色野菜類では庄野小27%,東小43%,乳類では両校とも5%内外の摂取不足が認められた。(5)家族とのまどい状況では,とくに朝食で「家族全員で食べていない」と答えた学童が庄野小では47%,東小では82%も認められたことが注目された。

三重県における地域別食生活実態の公衆栄養学的考察 : 第15報昭和59年,三重県鈴鹿市庄野小学校および大山田村東小学校学童の栄養摂取状態とその家族とのまどい状況(自然科学編)

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