緑茶中の遊離アミノ酸分析のための試料の前処理方法 : 調製用C_<18>充てん剤の利用

概要

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緑茶中の遊離アミノ酸を,アミノ酸自動分析計を用いて定量するための試料の精製方法について,久保田らの報告しとして酸酢エチルによる抽出法(酢エチ法)と,ウォーターズ社のセップパックカートリッジを用いた方法を著者らが改良した調製用C_<18>を充てんしたミニカラムによる方法(C_<18>法)とについて比較検討し以下の結果を得た。1)アミノ酸の回収率は,酢エチ法が86.9±2.8%であり,C_<18>法が98.7±3.0%であった。2)脱タンニン率は,酢エチ法が80.9±1.5%であり,C_<18>法が52.8±3.1%であった。C_<18>法の脱タンニン率は低かったが,アミノ酸のけい光分析や,自動分析に影響はなかった。3)脱色率は,酢エチ法が,40.4±5.0%でありC_<18>法が89.7±2.5%であった。4)市販緑茶(200〜3,000円/100g)のアミノ酸組成を,C_<18>法で精製して分析したところ,これまでに報告されている数値と比べて,特に変った値は認められなかった。以上の結果,並びに,調製時間(酢エチ法 ; 2〜3時間。C_<18>法 ; 2分以内。但しカラムの調製時間を除く)から総合的に判断して,C_<18>法は緑茶の遊離アミノ酸分析の前処理として大変優れた方法である。
東京家政学院大学の論文
1984-12-25