ダイコンのL-アルコルビン酸酸化抑制作用の部位によるちがいについて
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概要
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ダイコン(青首種)の部位別L-アスコルビン酸(_L-A_SA)自然酸化抑制等について検討し,以下の結果を得た。1 ダイコンを5等分にし,その頭部,中間部,先端部の3ケ所の汁液100ml中に含まれる_L-A_SAを測定したところ,頭部14.8±2.42mg,中間部12.3±2.05mg,先端部12.0±2.36mgという値が得られ,頭部の方が先端部より多く含まれていた。2 上記3ケ所の汁液について,室温(20〜25℃)で3時間,6時間放置後の_L-A_SA残存量を測定し,_L-A_SA自然酸化抑制作用(抑制作用)を検討した結果,6時間放置後の_L-A_SA残存率は,頭部65.6±8.39%,中間部73.5±1.72%,先端部77.0±4.10%といぅ値を示し,先端部の方が抑制作用の強いことがわかった。3 部位別汁液から,Sephadex G-25のゲルろ過により得られた低分子画分の抑制作用も,6時間後の_L-A_SA残存率(頭部17.9±0.75%,中間部39.5±0.82%,先端部64.9±1.80%)から,先端部が強いという結果が得られた。また,上記2の結果と3の結果を比べると頭部の差47.1%,中間部の差34.0%,先端部の差12.1%となり,頭部の抑制作用は,高分子画分も影響しているものと考えられた。4 先端部低分子画分を,エーテル抽出処理し,処理しないものと比べたところ,エーテル処理により抑制作用は低下したが,まだ,かなりの作用が残っていた。このことから,エーテル不溶性のものも抑制作用に関係しているものと考えられた。以上のことから,ダイコンは部位により,その成分組成に差があり,先端部に_L-A_SA自然酸化抑制作用を示す物質が,より多く含まれていることが示唆された。また,抑制作用は,多くの化合物の相乗作用であると考えられた。
- 東京家政学院大学の論文
- 1981-10-01
著者
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