ラットに於ける鉄欠乏症貧血の回復に及ぼすトリポリリン酸塩の影響

概要

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著者らは,水産練り製品等の加工食品中の縮合リン酸塩(CP)について,その含有量や生理的作用等の関する検討を続けている。これまでに,CPの分別定量法を確立し,カマボコ類,コピー食品類,クロボコ類,ソーセージ類,チーズ類,調理畜肉加工食品類の各種形態リンを分別定量して報告した。また,CPの中で最も多く使用されているトリポリリン酸塩(TP)のラットのミネラル出納に及ぼす影響についても報告した。その結果,TPのリンは,オルソリン酸態リンと同等に吸収されること,P/Ca比が0.7という正常な添加量であっても,カルシウム,マグネシウム,鉄の見かけの吸収率を低下させること等が分かった。他方,日本に於ける血色素量低値者の割合は,平成3年度の国民栄養調査の成績から,男性(14g/dl未満)14.6%,女性(12g/dl未満)同じく14.6%であり,その最大の原因が鉄欠乏性である。以上のことから今回は,鉄欠乏性貧血のラットを調製し,その回復に対して,TPの添加がどのような影響を与えるかを検討した。
東京家政学院大学の論文
1994-07-31