デバイスばらつきを補償する低電力エラスティックVtCMOS技術

概要

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従来、LSIの消費電力の削減のために電源電圧を下げる場合、動作速度が低下しないように、MOSトランジスタのしきい値を低く設定したが、この場合、トランジスタの漏れ電流が大きくなり、LSIの待機時電力を増加させてしまった。また、サブ0.25μmの微細CMOSでは,デバイスばらつきおよび温度等の動作環境の影響によりしきい値が大きく変動するため、しきい値を十分低く設定できないばかりか、デバイスばらつきの考慮が顕著になり最悪条件の設計では十分な性能が得られないという問題がある。今回、これらの問題を解決するEVtCMoS(Elastic-Vt CMOS)技術を開発した。この技術は、デバイスばらつきを自動補正し、LSIの歩留まりを向上させるとともに、柔軟な電力制御が可能となる。0.35μmCMOSプロセスにより、EVtCMOSを用いて加算器、メモリ、PLLを試作し、その基本性能を評価した。ここでは、その基本となるEVtCMOS技術について述べる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-09-18