筋骨格モデルを使用した表面筋電位による手先位置推定(BCI/BMIとその周辺,一般)

概要

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我々はこれまで,ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-Machine Interface,BMI)を利用した上肢麻痺患者用のアシストスーツを開発し,脳波を用いて使用者の意図を推定しアシストスーツを動かすことに成功した.しかし,脳波を使った制御手法は,運動が始まるまでに数秒の遅れを必要とし,またいくつかの運動内容を事前に登録する必要があった.本報告では,アシストスーツをより使用者の意図を反映させて動かすための,表面筋電位による腕の角度の推定手法を提案する.この手法では,肩・肘の屈曲・伸展角度を,筋骨格系の平衡位置として推定する.この手法のために,上肢筋骨格系の数理的モデルを構築し,この関節角度を推定するための式を導出した.本手法により,8つの筋からの表面筋電位を用いて各被験者の関節角度を推定することに成功した(3人の被験者における関節角度実測値と推定関節角度の相関:0.76±0.12(肩の屈曲・伸展角度),0.77±0.079(肘の屈曲・伸展角度)).本手法と我々のBMIの手法を組み合わせることで,EMGとEEGによるハイブリッドな制御が可能になると思われる.
2012-11-09