キャッチング作業における人間の接触タイミング予測モデルに関する研究(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)

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本論文では, 落下する物体のキャッチング作業において, ヒトがどのような方策に基づき, 物体との接触タイミングを予測するのかを調べる.そして, その予測モデルの構造について考察する.実験環境として, バーチャルリアリティ技術を用い, 複数の加速度が存在するボールキャッチング環境を構築しており, 被験者には, ボールをキャッチングする際, 手の初期位置を維持するといった作業課題を与えた.その結果, 重力加速度環境ではキャッチング開始時刻が一定であり, 正しく接触タイミング予測が行われていた.また, その環境では手の軌道が一定になっており, 作業課題も精度良く行っていることも観測できた.一方, 他の加速度環境では正しく接触タイミング予測ができず各加速度で誤差が生じており, そのタイミング予測誤差が作業課題の大きなタスク誤差につながった.しかしながら, 試行回数が増えるにつれ接触タイミングが変化し, 新たな加速度環境を学習している傾向が見られた.これらの結果は, ヒトは既に獲得した重力加速度モデルを用いて物体との接触タイミングを予測しており, そのモデルは新たな加速度環境が学習可能な構造をしていることを示唆している.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-07-01

キャッチング作業における人間の接触タイミング予測モデルに関する研究(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)

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