強化学習とフィードバック誤差学習を用いた腕の姿勢制御(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)

概要

論文の詳細を見る
近年,生体の随意運動学習に関していくつかの計算論的なモデルが提案されている.その中に,小脳における学習モデルとしてのフィードバック誤差学習や,大脳基底核におけるそれとしての強化学習の枠組みの一つであるActor-Critic法がある.本研究では,これら二つを組み合わせた運動学習モデルを提案する.このモデルでは,フィードバック誤差学習におけるフィードバック制御器がActor-Critic法により自立的に獲得される.このモデルを用いて,二関節六筋の腕を制御対象とした鉛直平面内における姿勢保持運動の学習シミュレーション実験を行った.その結果,タスクに応じた報酬のみから,腕の逆スタティックスモデルが獲得できることを確かめた.また,最適レギュレータをフィードバック制御器として用いたフィードバック誤差学習との性能比較実験を行った.更に,腕の逆スタティックスモデルとActor-Critic法のActor制御部を用いて二点間到達運動を行い,生体の運動制御に関して考察した.
2006-05-01