草類の調製利用上における養分損失について

概要

論文の詳細を見る
草地利用において貯蔵する形の乾草およびサイレージ調製に際して,圃場における機械作業による損失,保存あるいは醸酵損失について検討し,さらに収穫時における刈取り高さが,草量ならびに飼料成分におよぼす影響などについても試験を行なったが,これらの結果を要約するとつぎのごとくである。1.コドラート調査とフォレージハーベスター収穫での草量の比較では,フォレージハーベスターによる収穫草量はコドラート調査の80%程度である。刈取り高さと草量比は,刈取り高さ0cmを100とすると,10cmで80%,25cmでは57%であり,これらの刈取り高さは飼料成分にも若干の差を示す。2.乾草調製時の圃場損失は9.27%であるが,これは各種の条件によって左右される。3ヵ月間の乾草保存では粗蛋白質が10%,可溶無窒素物16%,カロチン50%の損失率が示された。3.ヘイレージ調製時における圃場損失は,圃場の状態,作業機運転者の巧拙などによって異なるが,第1回調査で0.75%,第2回調査で1.35%を示した。気密式サイロでの醗酵損失は,ナイロン製網袋を埋没して調査した結果,回収率が固形分91%,粗蛋白質93%,粧脂肪104%,可溶無窒素物97%,粗繊維110%,粗灰分92%であった。以上のごとく,ヘイレージ調製においては乾草,サイレージに比して機械的損失,ならびに調製中における損失が少ないことを認めた。
帯広畜産大学の論文
1971-12-15

草類の調製利用上における養分損失について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク