甜菜副産物の飼料的利用に関する研究 : 第8報ビートパルプの可消化性に及ぼすセルラーゼおよび糖蜜添加の影響

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ビートパルプを主とした飼料給与において,ビートパルプを始めその給与飼料中に含まれる炭水化物,とくに粗繊維の可消化性を向上させる目的をもって繊維素分解酵素および糖蜜添加による影響について研究を実施した。その結果を要約すればつぎのごとくである。1.ビートパルプは可溶無窒素物,粗繊維ともに多く含まれている炭水化物飼料であるがその消化率もかなり高い。したがってビートパルプを含有しない飼料給与のそれと比較するとビートパルプ混合飼料の消化率は有機物・炭水化物ともに大となる。2.粗セルラーゼをビートパルプ給与量の0.2%,0.4%の割合に添加すると,排糞の状態は変り,量も少なく,きわめて柔軟となり,消化率はいちじるしく向上する。また添加量が増加するほど効果的である。3.糖蜜の添加によっても粗繊維の可消化性は高まり,粗セルラーゼとの併用は一層その効果が大となる。その各試験における平均消化率(%)を示すと次のごとくである。[table]なお,供試した粗セルラーゼの酵素力は次のごときものである。セルラーゼ70μ/mg,リパーゼ4-5μ/mg,アミラーゼ10.4μ/H/mg,プロテアーゼ0.8×10^<-3>I.U./S/mgであり,糖蜜は甜菜に由来するものである。以上のごとく,粗セルラーゼと糖蜜の添加は繊維質飼料の可消化性を高めるが,消化器官内におけるこれらの作用機序についてはさらに研究すべき若干の問題点が存するであろう。
帯広畜産大学の論文
1962-10-10

甜菜副産物の飼料的利用に関する研究 : 第8報ビートパルプの可消化性に及ぼすセルラーゼおよび糖蜜添加の影響

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