寒冷地における日常食品の栄養学的研究 : 第1報市販蔬菜類含有ビタミンの季節的消長について

概要

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われわれは,食生活上重要なビタミンの給源であり,しかも,とかく,われわれの生活に不足しがちな蔬菜類について,そのビタミン含有量の変化を年間を通じて調査した。その結果,貯蔵野菜ではビタミンの損失が大きく,殊にCの損失は著しく,その残存率は翌年の2月で1/8,6月になると僅か1/10となる。カロチンは2月迄に1/2に減少するが,それ以後6月迄の期間の損失は僅少である。B_1,B_2は2月迄は相当多量残存することが認められたが,6月になると約1/4に減少する。冬期の本州よりの輸送野菜にもある程度の損失は認められるが,貯蔵野菜に比較すると遙かに損失が少く,通常平均3/5は残存している。従つて市販野菜を利用する人々は,2月,6月の端境期に相当多量の輸送野菜が供給される故,あまりビタミン不足を心配する必要はないが,貯蔵野菜のみを利用している農村民にとつて,2月〜6月は,大いに注意を要すべき時期と考えられる。また一方,9月頃は最も新鮮な野菜の出廻る時期ではあるが,高い気温や強い日光に晒されるために,店頭の野菜は意外に大きな栄養損失を示しており,決して安心していることはできない。この時期は端境期と逆に,市販野菜利用者の大いに注意すべき時である。
帯広畜産大学の論文
1957-03-30

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