開放牛舎における乳牛飼養に関する研究 : 第1報 開放牛舎における搾乳牛の集団飼養について
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概要
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スタンチョンバーン飼養(45頭)と,ルースバーン飼養(60〜82頭)との,乳量,乳脂率,1頭平均能力,産乳の季節別推移,作業労働,乳牛繁殖成績,分娩動態等につき調査し,ふたつの飼養方式の比較検討を行なった。(1)スタンチョン方式よりもルースバーン方式が,乳量,乳脂率ともに向上し,個体泌乳能力は前者に対し18.4%増大した。(2)特に産乳の季節別推移では,スタンチョン方式が道内4代表酪農地帯の集乳量の推移と全く同じ傾向,すなわち夏高冬低の形をとり,月平均乳量を100とする指数では7月にいずれの地域も最高,2月に最低を示し,年平均に対し高低の偏差が30〜50%にも達するのに対して,ルースバーンでは最大偏差でもわずかに15%程度にとどまり,年間を通じおおむね平均的に推移し季節的産乳量の変動がきわめて少ない。(3)受胎率につき,スタンチョン飼養の2年間,ルースバーン飼養の年間のそれぞれの平均では,前者が78.9%に対し,後者は79.7%とわずかに成績向上し,1受胎に要した授精回数も1.8回より1.44回に低下した。また分娩後の初回発情発現日数も約10日間の短縮が見られた。(4)経営的な見地から,スタンチョンとルースバーンの両方式別の飼養期間につき,購入濃厚飼料と年間総乳代収入の関係から乳飼比につき検討の結果は,スタンチョンの22%に対し,ルースバーンでは28.85%とかなり上昇した。しかし泌乳能力も前者が4700〜5000kgに対し後者の飼養期間には約5500〜5900kgに上昇したので,乳飼比の上昇は当然と考えられた。残された課題は,高蛋白粗飼料の増産自給という点にあると思われる。
- 帯広畜産大学の論文
- 1970-11-25
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