基肥としての燐酸肥料および加里追肥が草類の収量飼料成分ならびに可消化性に及ぼす影響

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アルファルファおよびラヂノクロバーとオーチャードグラスを混播した草地において基肥としての燐酸質肥料(11-48-0)の施用量,2年目以降における草生の維持をはかるための加里追肥を行なった研究についての3年間の結果を要約すれば,つぎのごとくである。1960年1.アルファルファブロック,ラヂノクロバーブロックともに燐酸施用区は無施用区に比して,草丈,収量は大であった。2.両ブロックともにアルファルファおよびラヂノクロバーがオーチャードグラスよりも優占した。3.総収量はラヂノクロバーブロックの方がアルファルファブロックよりも大である。4.刈取回数について比較すると,1番刈のほうが2番刈より収量がやや高い。6.雑草の侵入割合は初年目に多く,アルファルファブロックでは1番刈が21.7%,2番刈が14.6%,ラヂノクロバーブロックではそれぞれ,41.0%,6.1%である。このように刈取とともに減少する。1961年1.燐酸質肥料の施用量の増加は両ブロックともに増収を示す。2.加里追肥は収量を高める上に効果的であり,同時にマメ科草の比率を大にする。3.両ブロックの収量を比較すると,ラヂノクロバーブロックのほうがアルファルファブロックよりもやや収量が高い。4.雑草の侵入割合に2年目以降になると急激に低減し,3%以下になる。6.施肥量は草類の無機成分含量にも影響し,燐安施用の増加とともに燐酸,カルシウム含量が増加しまた加里の追肥に,よって加里,窒素,カルシウムが増加した。1962年1.加里の追肥は生産性の維持,混播草類におけるマメ科草の比率を高めるのに極めて対象的である。反当り収量においてはアルファルファブロックでは5トン以上,ラヂノクロバーブロックでは4トン以上の収量維持が可能である。2.加里追肥を行なうと,草類中の蛋白質,脂肪,灰分含量も高くなり,前2者の消化率も高くなった。また刈取期が進むとともに,蛋白質,可溶無窒素物の消化率も高くなる。逆に粗繊維の消化率は蛋白質の消化率に比し低くなる。以上のごとく,2種混播における3年間の生産性を比較すると適応した草種,系統の選定,適当量の燐酸質肥料の施用(基肥として燐酸のほかに窒素,加里,硼素を施用した),基肥としての加里施用が収量の増加,マメ科草の維持,飼料成分および蛋白質,脂肪などの可消化性を高める上に効果的であった。
帯広畜産大学の論文
1963-12-25

基肥としての燐酸肥料および加里追肥が草類の収量飼料成分ならびに可消化性に及ぼす影響

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