寒冷地における日常食品の栄養学的研究 : 第4報十勝産菜豆類の栄養的価値について

概要

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十勝地方における栽培作物中,その王座を占める菜豆類について,栄養的価値を検討した結果は次の如くである。1.菜豆類の一般成分は蛋白質平均21%,脂肪1.3%,可溶性無窒素物55%であり,蛋白質,脂肪ともに大豆には及ばないが,一般穀類に比べると遙かに優れた蛋白質給源食品である。2.炭水化物はその85%が澱粉,6%が糊精で,直接還元糖は僅か0.5%である。3.蛋白態窒素をその溶解性によって分類すると,水溶性窒素が全窒素の52%を占め,次いで食塩水可溶性窒素18%であり,菜豆類の蛋白質は主としてグロブリン態と考えられる。4.灰分は平均4.7%で,その19%が燐酸,6%が石灰であり,鉄,マンガンは僅少である。5.ビタミン類ではB_1,B_2に富み,100g中平均B_1500γ,B_2300γである。一方カロチンは赤い豆には多いが,白い豆には皆無である。
1959-06-30