寒冷地に於ける日常食品の栄養学的研究 : 第3報若干果実および蔬菜類における水溶性ビタミンの調理による損失について

概要

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若干の果実及び蔬菜類について,調理操作による水溶性ビタミンの損失を測定観察し,次の結果を得られた。1.林檎,トマト,白桃をミキサーにかけた場合,5分間の操作後,ビタミンB_1は平均18%,B_2は9%,Cは38%損失していることが認められた。2.ほうれん草,キャベツ,白菜を茹でた場合,5分間煮沸後の各蔬菜中におけるビタミンCの残存率はそれぞれ66%,56%,62%であり,煮沸水中の量は10%,18%,14%であった。両者の合計はいずれも75%前後であり,破壊されるビタミンCの量については疏菜間の差異は認められなかった。3.煮沸後,蔬菜を冷水に浸漬することにより,さらに原物中のビタミンCは減少するが,その大部分は溶出による損失であることが明らかとなった。15分間の水浸で10〜20%溶出した。4.茹でる,蒸す,焼く,揚げるなどの諸調理法によるビタミンC損失度を比較した結果,損失を少なくするには,第1に加熱時間を短くすること,第2に加熱温度をできるだけ低くすること,第3には溶出を防ぐことが重要な条件であることが確認された。5.食塩のアスコルビン酸オキシダーゼ活性に及ぼす影響については,あまり顕著な効果は認められなかった。しかし,林檎においてはビタミンC残存量の増加が認められた。
1959-06-30