燐酸および加里施肥がアルファルファ・オーチャードグラスとラヂノクロバー・オーチャードグラス混播草地の収量および成分吸収に及ぼす影響(1960-1964年の5年間の成績)

概要

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1960-1964年にわたり,アルファルファ・オーチヤードグラスとラヂノクロバー・オーチヤードグラス混播草地について,造成時に適当量の燐酸質肥料を種子の下位に帯状施用し,かつ各年次の収穫ごとに加里肥料の追肥を行ない,その収量,燐酸および加里の吸収に及ぼす影響について研究を実施した。この研究はなお継続中であるが,第1期の5ヵ年間の結果を要約するとつぎのごとくである。永年生のマメ科およびイネ科草の種子は比較的小さく,微量の燐を種子中に含んでいる。発芽した種苗根の成長には,可溶性燐を種子の近くに施用することが迅速にして旺盛な造成を達成するために重要である。発芽種子の近くにある可溶性塩類は,核分解作用の原因となるので硫安または1燐安と過石を施用する低塩施肥,つまりN:P_2O_5=1:5とすることが必要である。播種後90日目の生育ではPを帯状施用すると,アルファルファ・オーチヤードグラス混播ではともに草高が大となり,ラヂノクロバー・オーチヤードグラス混播ではいちじるしい差を認め難かった。ヘクタール当り22kg Pと88kg Pの施用区の比較では後者の収量がいずれも増大し,5年間とアルファルファ・オーチヤドグラス混播区では2300kg,ラヂノクロバー・オーチヤドグラス混播では4200kgの増産を示した。基肥としてヘクタール当り22kgのPの施用では収量またはP含量に認むべき増加がなかった。いろいろな肥料要素の施用時期が永年生牧草の収量を高めるために重要である。以上のごとく,Pを播種時に種子の下部に帯状施用することは初期の生育を促進し,その後の収量を高めることを確認した。しかし,Pの施用は収量とかP含量を増高するためには比較的影響がなかった。反対に毎年収穫後に行なったK追肥は高い生産をあげるために効果的であった。各年のKの必要量を一時に供給することは不均衡な吸収および肥料としての加里の作物による除去をもたらす。毎年ヘクタール当り250kgのKを供給することは作物による吸収の均衝をはかり,施用したマメ科おかびイネ科草のK含量を維持するのに役立つことになる。今回の研究によると,K含量の最低値はアルファルファでは3〜3.5%,ラヂノクロバーでは3.5%,混生したオーチヤードグラスでは3.5〜4.0%であった。混播したイネ科草はマメ科草に対してKと強い競合を示す。アルファルファおよびラヂノクロバーに対する低い大施用は,これらマメ科草類の草勢の弱体化と収量低減をきたした。
帯広畜産大学の論文
1968-05-31

燐酸および加里施肥がアルファルファ・オーチャードグラスとラヂノクロバー・オーチャードグラス混播草地の収量および成分吸収に及ぼす影響(1960-1964年の5年間の成績)

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