乾草および牧草サイレージにトウモロコシ子実を添加した場合の反芻家畜におけるリン,カルシウムおよびフィチン態リンの消化率

概要

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搾乳牛およびめん羊で,(1) 乾草,(2) 乾草•キューブ,(3) 乾草•キューブ•荒びきトウモロコシ,(4) 乾草•キューブ•粉砕トウモロコシの消化試験(試験I,1飼料に対して4頭)を,また,乾乳牛で牧草サイレージと圧片トウモロコシの配合割を変えた3種類の飼料の消化試験(試験II,1飼料に対して4頭)を,予備期1週間,本試験期1週間として実施し,リンおよびカルシウムの見かけの消化率を測定した.その結果,試験Iでは乳牛で各飼料ともリンの,見かけの消化率は約35%であった.また,各乳牛の乳量(5〜15kg/日)とリンの見かけの可消化量(g/日)との相間はr=0.479と低かったが,乳量とカルシウムの見かけの可消化量との間には,r=0.735(P<0.01)の有意な相間が認められた.試験IIでは,圧片トウモロコシの給与量が増すにつれて,リンおよびカルシウムの見かけの消化率は低下した.また,試験Iの搾乳牛の消化率と比較して低かった.試験I, IIの一部の乳牛の糞中フィチン態リン含量を測定した結果,その含量はフィチン態リンの消化率を50%と仮定したときの糞中含量に比較してはるかに低く,試験Iでは特に少量であった.したがって,ある程度フィチンが分解されていることがうかがわれた.
社団法人日本畜産学会の論文