乳牛におけるチモシー乾草の自由採食量と飼料組成, 第一胃内滞留時間, 消化率, 消化速度との関係

概要

論文の詳細を見る
刈り取り時期の異なるチモシー乾草4点について, 乳牛による自由採食試験, めん羊による消化試験およびin vitro消化試験を実施した。チモシー乾草の乾物摂取量(DMI)と飼料成分含量, 第一胃内滞留時間, めん羊消化試験による各種成分消化率およびin vitro消化試験による総繊維の消化速度との関係からチモシー乾草におけるDMIに影響を及ぼす要因を解析した。チモシー乾草のDMI日量および代謝体重当たりDMIは, 供試牛4頭の平均値がそれぞれ6.5kg/日〜9.1kg/日, 56.99/kg^<0.75>〜78.8g/kg^<0.75>であった。DMI日量と飼料成分の関係では, 酵素分析法による低消化性繊維(Ob), 細胞内容物(OCC)と高消化性繊維(Oa)を合算した値, 酸性デタージェントリグニン(ADL)との間に高い相関が認められ, DMI(Kg/日)は, -0.18×Ob+19.5, -0.50×ADL+12.1, 0.19×(OCC+Oa)-1.6の推定式で求めることが可能となった。また, DMI日量と第一胃内滞留時間, 各成分の消化率, 消化速度との間にも高い相関が認められた。代謝体重当たりDMIについても同様の結果であった。さらに, チモシー乾草のDMI日量と繊維成分含量, 第一胃内滞留時間消化率および消化速度との関係を明らかにした。
日本草地学会の論文
1998-10-31