環境温度がアルファルファ2番草の非構造性炭水化物組成に及ぼす影響
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概要
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アルファルファ2栄養系(10A,10B)の2番草を,昼温を15°,20°,25°,30℃(夜温は昼温よりそれぞれ5℃低い値)に設定した4温度処理区および屋外で40日間栽培したのち刈取り,液体クロマトグラフィーにより糖を分析し,環境温度が非構造性炭水化物組成におよぼす影響を検討した。全非構造性炭水化物含量(TNC,乾物中%)は,温度処理区において,10A;4.84(25℃区)〜5.83%(15℃区),10B;5.00(30℃)〜6.53%(15℃),屋外区において,10A,;7.06%,10B;8.27%であり,同一条件で栽培したオーチャードグラスのTNC(5.62〜10.36%)と比べて少ない傾向が認められた。また,温度処理区より屋外区においてTNCが高かったのは,デンプン含量が高かったためであった。単糖類の含量は,温度処理区において,10A;グルコース0.24(25℃)〜0.67%(15℃),フルクトース0.10(25℃)〜0.55%(15℃),10B;グルコース0.42(30℃)〜0.68%(15℃),フルクトース0.25(25℃)〜0.47%(15℃)であった。両単糖とも,10Aでは15℃から20℃にかけて急激に減少し,10Bでは温度の上昇につれて徐々に減少した。ショ糖の含量は,10A;2.45(25℃)〜2.98%(20℃),10B;2.44(屋外)〜3.11%(15℃)であり,温度処理区および屋外区との間に差が少なかった。デンプンの含量は,温度処理区において,10A;1.51(30℃)〜2.05%(25℃),10B;1.70(25℃)〜2.27%(15℃),屋外区において,10A;3.57%,10B;4.56%であり,屋外区が高かった。環境温度の上昇にともないTNCは減少する傾向が認められたが,個々の糖における傾向は明瞭でなかった。
- 日本草地学会の論文
- 1978-10-31
著者
-
柾木 茂彦
畜産試験場栄養部消化管微生物研究室
-
柾木 茂彦
農水省畜試
-
柾水 茂彦
畜産草地研究所
-
井澤 弘一
草地試験場環境部
-
大山 嘉信
畜産試験場栄養部
-
井澤 弘一
草地試験場:(現)山形県立農業試験場
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