飼料価値に及ぼす病害の影響 : IV. 茎枯病によるアルファルファ(Medicago sativa L.)の飼料成分の変化
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概要
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我が国におけるアルファルファの重要病害である茎枯病(Phoma medicaginis Malb. et Roum.)に侵されることによって飼料成分がどのように変化するかを明らかにし、罹病による質的被害の有無を確かめるために実験を行った。実験は1970年千葉県,1975年愛知県の品種比較試験ほ場の自然発病試料について行った。品種の生育群別相違と茎枯病罹病程度の関係では低緯度原産のI群品種のほうが,高緯度原産のIV群やV群品種よりも高かった。これは福代・古田の結果と一致した。罹病程度の高かった品種SonoraやDu Puits等の罹病区では,健全区に比べ粗蛋白質,可溶性糖類,粗脂肪,可消化養分総量,可消化粗蛋白質や乾物消化率の値が低かった。罹病程度の低かったRhizomaでは健病間差はほとんど認められなかった。これらの傾向は栽培地および栽培年次を異にしても同様の結果が得られた。茎枯病に罹病することによって,アルファルファの飼料成分変化に与える影響は大きく,質的な被害は大きいものと考察された。
- 日本草地学会の論文
- 1987-12-31
著者
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