アルファルファの品種群別における草丈伸長と日長,温度の関係
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概要
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アルファルファの品種群別について,各群の生態的特性を検討するため,5群56品種を供試し,自然環境下で3か年21回の刈取りごとに調査し,その草丈伸長速度と日長,温度の相関の強さを比較した。1.草丈の1日当り伸長量と日長との相関は0.820と極めて高く,温度とは0.590であった。アルファルファは,本来,日長要因の影響を強く受ける草種であり,温度は2次的要因と認められた。2.品種群と日長の関係は,I群の相関が0.714で最も低く,以下順次高まり,IV,V群では0.845前後で,ほぼI群<V群の傾向であった。低緯度原産のI群品種は日長に鈍感で,高緯度原産のIV,V群では極めて敏感に反応していた。3.当地のフォトサーモグラフから各群の休眠期間と秋の刈取り利用限界期日を推定した。V群品種の休眠期間は約3ヵ月に及び,秋の利用限界は10月20日ごろまでである。I群の休眠は極めて短かく,秋も11月20日ごろまで刈取り利用が可能で,利用期間はV群より約1か月も長い。4.冬の休眠限界日長を草丈伸長と日長の1次回帰から求めると,I群は9.2時間,以下V群10.4時間までの計算値を得た。秋の休眠限界温度は,I群6.9℃,以下V群は13.6℃であった。以上の結果から,今後,アルファルファの品種の利用に当って,日長反応を考慮した選択の必要性があり,かつ,暖地のアルファルファ栽培には,I,II群のような暖地型品種の利用が効果的であると結論された。
- 日本草地学会の論文
- 1975-12-25
著者
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