イタリアンライグラスの採種栽培に関する研究 : I.窒素施用量・分施割合および追肥時期
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概要
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窒素施用量が0から12kg/10aの範囲では施用量が多くなるほど採種量は増加した。また,窒素全量基肥より分施した方が採種量は向上し,分施によって8kg N/10a (8N)と12kg N/10a (12N)との採種量の差は縮少した。分施割合は4kg N/10a (4N)の場合は2-2(基肥量と追肥量の割合を示す。以下同じ)区と1-3区の採種量が多く,8Nと12Nではともに2-2区の採種量が最大となった。この結果,4Nの2-2区と1-3区は8Nの基肥区の採種量を,8Nの2-2区は12Nの基肥区の採種量をそれぞれ凌駕し,著しい窒素効率の向上が認められた。追肥時期は4月13日頃(節間伸長開始後2週間頃)が採種量の向上に最も効果的であった。このような窒素施肥による採種量の向上は,主として穂数と一穂粒数の増加によるところが大きかった(採種量との相関係数,穂数γ=0.911,一穂粒数γ=0.824)。一穂粒数の増加は,小穂当たり粒数の増加によるものであった(γ=0.909)。倒伏は窒素施肥の多いほど,また分施することによって増大した。本試験の結果から,採種のための窒素施用量,施肥法を求めれば,窒素施用量は8〜12kg/10aとし,窒素効率や倒伏を考慮すれば少なめにし,これを基肥と節間伸長開始後2週間頃に半量ずつ施すのが採種量向上に最も効果的であると判断された。
- 日本草地学会の論文
- 1980-07-31
著者
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