アルファルファにおける白絹病抵抗性品種の育成 : I.発病程度の品種間差異
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概要
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マメ科牧草アルファルファのわが国暖地における重要病害白絹病について,抵抗性品種育成を目標に,既存品種間の発病程度の差異を検討した。試験は1972,'73年に各10品種・系統を供試して,個体植検定で2回行った(7品種・系統が試験に共通)。白絹病菌(Corticium rolfsii)の接種は,6月と7月にアルファルファの株元に,もみがら培地培養の菌糸を培地ごと散布した。白絹病による平均枯死率は,1972年が20.6%,1973年が56.3%で,高温が長く続いた1973年には発病,枯死が多かった。枯死率を品種別にみると,2回の試験ともCherokeeが最も高く,つづいてdu Puits,Europeで,Flamande系統が白絹病に極めて弱いことが認められた。2試験を通じて枯死率の低い品種は,Moapa,愛系4号で,全般に暖地生育型品種の枯死率は低かった。2回の試験の枯死率の間にはr=0.930と極めて高い相関が認められた。さらに2試験を込みにした枯死率の品種間には有意差が認められ,その多くは遺伝分散に基づくものであることが確かめられた。これらの結果から,アルファルファ品種の白絹病抵抗性には明らかに差異があり,極めて多犯性で,抵抗性品種育成が困難とされている白絹病に対して,抵抗性育種の可能性が認められた。
- 日本草地学会の論文
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