アルファルファ主要品種の収量と維持年限の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
世界各地から集めたアルファルファ55品種について,秋まきづ利用3年目まで,収量と草勢維持の良否を比較して次の結果を得た。来歴的にみてMedicago sativa系に属する品種は欠株の発生が少なく,草勢の維持が良好であった。これに対して,M. media系に属する品種は,夏季の欠株発生が多く,2年目の夏を境として後半の草勢劣化が目立った。欠株の発生は減収と密接な関係を有していた。一般に,初期の収量はmedia系の品種が上位を占め,sativa系の品種は中位以下に分布する傾向であったが,2年目夏以降は逐次,順位が逆転し,3年目にはsativa系が上位を独占するに至った。media系の中でも,フランスのDu Puitsなど,Flamande型の一群や,ドイツの一部品種は欠株の発生率がとくに高く,後期の減収度が大きいが,初期収量が高いので3カ年の合計では必ずしも低くならなかった。全品種を通じて,北イタリーのLodi農試育成種が収量,永続性ともに抜群で注目された。わが国暖地での栽培品種としてsativa系がより適応することは,原産地の気象条件からいって首肯できるところであるが,適応品種の選定には,耐病性や品質も考慮し,さらに各地で試験を重ねる必要がある。
- 日本草地学会の論文
- 1969-08-20
著者
関連論文
- アルファルファにおける白絹病抵抗性品種の育成 : II.選抜育成系統の白絹病抵抗性の立証
- 暖地型牧草類種子の発芽に及ぼす浸透吸引圧の影響
- 41.アルファルファにおける炭そ病抵抗性の早期検定法に関する研究 : 3.幼苗検定による選抜効果(育種・採種,第19回発表会講演要旨)
- 40.アルファルファにおける炭そ病抵抗性の早期検定法に関する研究 : 2.苗令と抵抗性との関係について(病虫害,第17回発表会講演要旨)
- 飼料価値に及ぼす病害の影響 : IV. 茎枯病によるアルファルファ(Medicago sativa L.)の飼料成分の変化
- 暖地型牧草類種子の発芽ならびに出芽に及ぼす土壌水分の影響
- アルファルファ主要品種の収量と維持年限の比較
- 26.アルファルファ品種の株枯れと刈取回数,炭そ病との関係 : 1.刈取処理と株枯れ(病虫害,第20回発表会講演要旨)
- 40.アルファルファ炭そ病抵抗性の簡易検定法 : II.つみ取った葉による室内検定(育種・採種,第19回発表会講演要旨)
- 41.アルファルファ炭そ病抵抗性の簡易検定法I.幼苗の室内検定法及び切枝による成体の検定法(病虫害,第17回発表会講演要旨)
- アルファルファの水さしによる簡易増殖法について
- (76) Vicia angustifolia L.の系統間, 変種間雑種不稔性について : 日本育種学会第27回講演会講演要旨 : 一般講演