環境温度がオーチャードグラス2番草の非構造性炭水化物組成に及ぼす影響
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概要
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オーチャードグラス2栄養系(Cl79,Cl637)の2番草を供試し,昼温/夜温をそれぞれ15°/10°,20°/15°,25°/20°,30°/25℃に制御したガラス室内で40日間栽培したのち刈取り,液体クロマトグラフィーによる糖の分離定量を行ない,環境温度が非構造性炭水化物(NSC)組成に及ぼす影響を検討した。その結果,Cl79,Cl637においてそれぞれ,乾物中,グルコース,1.4% (15°/10°)〜0.5% (30°/25°),1.3% (15°/10°)〜0.5% (25°/20°);フラクトース,1.8% (15°/10°)〜0.3% (30°/25°),1.3% (15°/10°)〜0.2% (25°/20°)と温度の上昇につれ単糖は急激に減少することを認めた。ショ糖は,Cl79,Cl637においてそれぞれ,4.6% (25°/20°)〜6.4% (20°/15°),3.7% (20°/15°)〜4.6% (25°/20°)あり,温度の影響は明瞭ではなかったが,全非構造性炭水化物(TNC)に占める割合(百分率)は15°/10°区のそれぞれ,57,54%から20°/15°以上では,73〜75%および66〜67%となり,温度の上昇によって一定,かつ高くなった。フラクトサン含量は最高0.7%であり,温度の上昇につれ減少した。デンプン含量は,20°/15°区において最低となったが,温度の上昇につれ増加し,最高1.6%に達した。TNCは,25°/20°,あるいは20°/15°までは温度の上昇につれ減少する傾向を示したが,さらに温度が高くなると,おもにデンプン,ショ糖含量の増加の影響により増大する傾向が認められた。両栄養系を比較すると,Cl637の方が高温による生育抑制の傾向が強く,NSCでは,単糖類において両栄養系の傾向は似ていたが,ショ糖,フラクトサン,デンプンにおいては異なる反応を示した。
- 日本草地学会の論文
- 1978-07-31
著者
-
柾木 茂彦
畜産試験場栄養部消化管微生物研究室
-
柾木 茂彦
農水省畜試
-
柾水 茂彦
畜産草地研究所
-
井澤 弘一
草地試験場環境部
-
大山 嘉信
畜産試験場栄養部
-
井澤 弘一
草地試験場:(現)山形県立農業試験場
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