サゴ澱粉抽出残渣のヘミセルロースの化学的特性
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概要
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サゴ澱粉生産の増大につれて, 莫大な量の廃水, 繊維性の澱粉抽出残渣, 樹皮が澱粉工場から排出されるようになった.これらの廃棄物による環境汚染を防ぎ, サゴ澱粉抽出残渣の有効利用を計るために, 残渣の組成分析とヘミセルロースの化学的構造を解析した.本実験に用いた残渣の組成は澱粉49.7%, セルロース20.2%, ヘミセルロース7.9%, ペクチン5.0%, リグニン3.3%, 灰分3.1%, 水分10.8%であった.ヘミセルロースは濃度の異なるKOH(5%, 10%, および20%)で抽出し, 3区分に分けた後, さらに, ゲルクロマトグラフィーで精製し3種のヘミセルロースPH-I, PH-IIおよびPH-IIIを得た.PH-Iはアラビノース, 4-O-メチルグルクロン酸, グルクロン酸を側鎖に持ち, キシロース残基が(1→4)結合したアラビノグルクロノキシランと判断された.PH-IIとPH-IIIはPH-I様の構造の側鎖をO-6位に持ち, グルコース残基が(1→4)結合したグルクロノキシログルカンと推定された.両者は主としてガラクトース含量が異なっていた.
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1998-09-01
著者
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