サイレージ用トウモロコシ原料の部位別生産特性に関する研究 : II.登熟期間の異なる品種における乾物重および栄養収量と茎葉乾物率の関係

概要

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ホールクロップサイレージ原料の品質向上と多収に関連して,部位別の炭水化物収量およびこれと品種の茎葉特性との関係をみることを目的として,いくつかの試験を行なった。得られた結果は次の通りである。1.早生および中生の各2品種について,9刈取時期における部位別乾物重および炭水化物の測定を行なった。乾物収量,非構造性炭水化物(NSC)および澱粉収量は熟度が進むにつれて増加するが,単・少糖類収量は乳熟期前後で最大を示した。澱粉は雌穂中の含量により,また単・少糖類収量は主に茎葉中の含量により左右されていた。2.登熟期間の長い品種の乾物およびNSC収量は短かい品種より高かった。このNSC収量は品種間で2倍の差を示す単・少糖類収量により左右された。3.登熟期間の長い品種の茎葉乾物率および単・少糖類含量は短かい品種よりも明らかに高い値を示した。茎葉の乾物率と単・少糖類含量は正の相関関係にあることが認められた。4.以上により,ホールクロップサイレージ用品種の育成および選定のためには,雌穂および茎葉の乾物重の多収と共に茎葉の乾物率の高いことが重要であると推察された。
日本草地学会の論文
1981-04-30